薄茶と濃茶の違いとは?抹茶の量・味・点て方を比較

抹茶には「薄茶(うすちゃ)」と「濃茶(こいちゃ)」という2つの楽しみ方があります。

同じ抹茶を使うにもかかわらず、見た目や味、口当たりはかなり違います。

「薄茶と濃茶は何が違う?」
「濃茶は抹茶を濃くしただけ?」
「それぞれ抹茶を何グラム使うの?」

と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

大きな違いは、使用する抹茶の量とお湯の量、そして作り方です。

薄茶は抹茶とお湯を茶筅で「点てる」のに対し、濃茶はより多くの抹茶を少量のお湯で「練る」ようにして作ります。

この記事では、

  • 薄茶と濃茶の違い
  • 抹茶の使用量
  • 味や口当たり
  • 点て方・練り方
  • 初心者にはどちらがおすすめか

についてわかりやすく解説します。

※抹茶やお湯の量、作法などは流派や茶会によって異なります。本記事では裏千家が公開している目安などを参考に紹介しています。

目次

薄茶と濃茶の違いを一覧で比較

まずは薄茶と濃茶の主な違いを比較してみましょう。

比較項目薄茶濃茶
読み方うすちゃこいちゃ
抹茶の量の目安約1.8g約3.75g
お湯濃茶より多め少なめ
作り方茶筅で点てる茶筅で練る
見た目比較的さらりとしているとろりとして濃厚
軽やかで飲みやすい濃厚なうま味や香り
飲み方基本的に一人一碗茶席では一碗を複数人でいただくこともある
初心者始めやすい抹茶の質や練り方が重要

裏千家では、薄茶には約五分(約1.8g)、濃茶には一人分として一匁(約3.75g)の抹茶を使う目安を紹介しています。

つまり、単純な重量だけを見ると、濃茶では薄茶のおよそ2倍の抹茶を使うことになります。

ただし、お湯の量や仕上がりは流派や好みなどによって変わります。

薄茶とは?

薄茶は、一般的に「抹茶を飲む」と聞いて多くの人がイメージするスタイルです。

茶碗に抹茶とお湯を入れ、茶筅を素早く動かして点てます。

薄茶は約1.8gの抹茶が目安

裏千家では、薄茶について約五分、重量にして約1.8gの抹茶を使用する例を紹介しています。

そこへ適量のお湯を加え、茶筅を使って点てます。

自宅で抹茶を楽しむ場合も、おおよそ1.5〜2g程度から試してみると濃さを調整しやすいでしょう。

使用する抹茶の量が増えれば濃く、減らせば軽い味わいになります。

茶筅で泡を整える

薄茶は茶筅を細かく動かして抹茶とお湯を混ぜます。

裏千家では、ほどよく泡を立て、大きな泡が残らないように仕上げると紹介されています。

きめ細かな泡ができると、口当たりもなめらかになります。

ただし、泡の立て方や仕上がりは流派によって違いがあります。

「抹茶=必ずたっぷり泡立てなければならない」というわけではありません。

濃茶とは?

濃茶は、薄茶より多くの抹茶を少ないお湯で仕上げる、非常に濃厚な抹茶です。

薄茶のようにシャカシャカと泡立てるというより、**茶筅を使ってゆっくり「練る」**ように作ります。

濃茶は一人分約3.75gが目安

裏千家では、濃茶一人分として一匁、約3.75gの抹茶を使用する例が紹介されています。

薄茶の約1.8gと比べると、かなり多いことがわかります。

さらに、お湯を大量に加えるのではなく、飲みやすい濃さになるよう少しずつ加えながら練ります。

そのため完成した濃茶は、

  • とろみがある
  • 色が濃い
  • 抹茶の香りが非常に強い
  • うま味や苦味を強く感じる

といった仕上がりになります。

薄茶は「点てる」、濃茶は「練る」

薄茶と濃茶の違いを覚えるなら、

薄茶=点てる

濃茶=練る

と考えるとわかりやすいでしょう。

薄茶は茶筅を素早く動かす

薄茶では、お湯と抹茶を均一に混ぜながら茶筅を細かく動かします。

表面に細かな泡を作り、なめらかに仕上げます。

自宅で一般的な抹茶を楽しむ場合は、まずはこちらから始めるのがおすすめです。

濃茶はゆっくり練り上げる

濃茶は抹茶の量が多いため、薄茶と同じように素早く茶筅を振るのではありません。

少量のお湯と抹茶をなじませながら、茶筅でゆっくり練ります。

必要に応じてお湯を加えながら、なめらかな状態に仕上げていきます。

薄茶のような泡を作ることが目的ではありません。

薄茶と濃茶では味も大きく違う

同じ抹茶でも、使う量が大きく違うため味わいも変わります。

薄茶はすっきり飲みやすい

薄茶は濃茶よりお湯に対する抹茶の割合が少ないため、比較的軽やかな味わいになります。

商品によって異なりますが、

  • 抹茶の香り
  • うま味
  • ほろ苦さ
  • ほどよい渋み

などをバランスよく楽しめます。

初めて抹茶を飲む方にも取り入れやすいでしょう。

濃茶は抹茶そのものの味が強い

濃茶では大量の抹茶を少ないお湯で練るため、味や香りが非常に濃厚になります。

口当たりもさらさらではなく、とろりとしています。

抹茶の品質や味がそのまま出やすいため、苦味や渋味の強い抹茶を大量に使うと飲みにくく感じることもあります。

濃茶を楽しむ場合は、商品説明で「濃茶向き」などと案内されている抹茶を選ぶ方法もあります。

薄茶用と濃茶用で抹茶そのものは違う?

薄茶と濃茶は、まったく別の種類のお茶から作られているわけではありません。

どちらも基本的には抹茶です。

裏千家でも、薄茶と濃茶について製法そのものに違いはないと説明しています。

ただし、濃茶は一度に多くの抹茶を使用するため、抹茶そのものの風味が強く出ます。

そのため販売されている抹茶には、

  • 薄茶向き
  • 濃茶向き
  • 薄茶・濃茶兼用

など用途の目安が示されている商品もあります。

濃茶に初めて挑戦する場合は、メーカーや茶舗が濃茶に適していると案内している商品を選ぶとわかりやすいでしょう。

薄茶の基本的な点て方

ここでは自宅で楽しむ場合の大まかな流れを紹介します。

1. 抹茶を茶碗に入れる

抹茶を約1.5〜2g程度入れます。

裏千家が紹介する薄茶の目安は約1.8gです。

ダマが気になる場合は、あらかじめ茶こしなどでふるっておくと混ざりやすくなります。

2. お湯を加える

適量のお湯を注ぎます。

熱湯をそのまま使うよりも、抹茶の商品説明などに記載されている温度を参考にするとよいでしょう。

3. 茶筅で点てる

茶筅を茶碗の底につけたまま強くこすらないよう注意しながら、手首を使って素早く動かします。

大きな泡が残らないよう仕上げたら完成です。

初めて点てる方は「抹茶の正しい点て方」もあわせて参考にしてください。

濃茶の基本的な練り方

濃茶は薄茶よりも少し難易度が上がります。

正式な茶席での濃茶には流派ごとの作法があるため、ここでは家庭で味の違いを楽しむための大まかな考え方として紹介します。

1. 抹茶を多めに入れる

一人分なら約3.75gがひとつの目安です。

薄茶と比べてかなり多い量になります。

2. 少量のお湯を加える

最初から大量のお湯を入れるのではなく、抹茶となじませられる量から始めます。

3. 茶筅で練る

薄茶のように激しく泡立てず、抹茶とお湯をなじませるように茶筅を動かします。

状態を見ながらお湯を加え、飲みやすい濃さに調整します。

完成すると、とろりとした非常に濃厚な抹茶になります。

薄茶と濃茶では茶道具も違う?

基本となる茶碗や茶筅など共通する道具もありますが、茶席では薄茶と濃茶で使用される道具にも違いがあります。

代表的なのが抹茶を入れておく茶器です。

裏千家では、

濃茶:主に焼物の「茶入(ちゃいれ)」

薄茶:主に塗物の「薄茶器」

を使用すると紹介しています。

薄茶器としてよく知られているのが「棗(なつめ)」です。

ただし、自宅で薄茶や濃茶の味を楽しむだけなら、最初からすべての茶道具をそろえる必要はありません。

抹茶・茶碗・茶筅など基本的な道具があれば楽しめます。


薄茶と濃茶では飲み方も違う

茶道の茶席では、飲み方にも違いがあります。

薄茶は基本的に一人ずつ一碗のお茶が点てられます。

一方、濃茶では複数人分を一つの茶碗に練り、客が順番にいただく形式があります。

これは単に飲み物の濃さが違うだけではなく、茶道における薄茶と濃茶の役割が異なるためです。

自宅で味を比較するだけなら、一人分ずつ作って楽しんでも問題ありません。

本格的な茶道の作法を学びたい場合は、各流派の教室や公式情報を確認しましょう。


初心者には薄茶と濃茶のどちらがおすすめ?

初めて自宅で抹茶を楽しむなら、まずは薄茶がおすすめです。

理由はシンプルで、

  • 使用する抹茶が少ない
  • 味を調整しやすい
  • 点て方を覚えやすい
  • 一般的な抹茶でも楽しみやすい

からです。

まず薄茶を何度か点てて、

「もう少し濃厚な抹茶を味わってみたい」

と思ったら濃茶に挑戦するとよいでしょう。

薄茶を濃くすれば濃茶になる?

単純に薄茶へ大量の抹茶を追加すればよい、というわけではありません。

濃茶は抹茶の使用量だけでなく、

  • お湯の量
  • 茶筅の動かし方
  • 仕上がり
  • 抹茶の選び方

なども薄茶とは異なります。

特に重要なのが「点てる」のではなく「練る」という点です。

濃茶らしいとろりとした口当たりを楽しみたい場合は、最初から濃茶として作りましょう。


薄茶と濃茶ではカフェイン量も違う?

同じ抹茶を使用する場合、抹茶の量が増えれば摂取するカフェイン量も増えます。

農林水産省が日本食品標準成分表をもとに示している数値では、抹茶粉末100gあたりのカフェイン量は3.2gです。

この数値から単純計算すると、

抹茶の量カフェイン量の計算上の目安
1.8g約58mg
3.75g約120mg

となります。

そのため、同じ抹茶を使うなら濃茶のほうが一人分のカフェイン摂取量も多くなります。

ただし、商品によってカフェイン含有量は異なります。

カフェインが気になる方は「抹茶のカフェイン量はどれくらい?コーヒー・緑茶との違いも比較」も参考にしてください。


薄茶と濃茶に関するよくある質問

薄茶と濃茶は同じ抹茶ですか?

基本的にはどちらも抹茶です。

裏千家でも、薄茶と濃茶で抹茶の製法に違いはないと説明しています。

ただし、濃茶では抹茶の風味が非常に強く出るため、濃茶向けとして販売されている抹茶を選ぶ方法があります。

薄茶は何グラム使う?

裏千家が紹介する目安では、約五分、重量にすると約1.8gです。

家庭では好みに合わせて調整して構いません。

濃茶は何グラム使う?

裏千家が紹介する一人分の目安は一匁、約3.75gです。

ただし、流派や人数、点前などによって異なる場合があります。

濃茶は泡立てる?

薄茶のように泡立てることを目的にはしません。

少量のお湯と多めの抹茶を茶筅で「練る」ように仕上げます。

初心者でも濃茶を作れる?

家庭で濃茶の味を体験することはできます。

ただし、本格的な茶席における濃茶には独自の点前や作法があります。

茶道として学びたい場合は、各流派の教室などで学ぶのがおすすめです。

まとめ|薄茶は「点てる」、濃茶は「練る」

薄茶と濃茶はどちらも抹茶ですが、使用する抹茶の量や作り方、味わいが大きく違います。

最後に整理すると、

薄茶濃茶
約1.8gが目安約3.75gが目安
お湯と茶筅で点てる少量のお湯で練る
比較的さらりとろりと濃厚
軽やかで飲みやすい抹茶の味・香りが非常に濃い
初心者にもおすすめ抹茶に慣れてから挑戦しやすい

覚え方は簡単です。

薄茶は「点てる」。

濃茶は「練る」。

まず自宅で抹茶を始めるなら薄茶から挑戦し、抹茶そのものの濃厚な味をさらに楽しみたくなったら濃茶を試してみるとよいでしょう。

抹茶の点て方そのものがまだよくわからない方は、「抹茶の正しい点て方」から始めるのがおすすめです。

参考資料

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